エナメル革とは? 素材の見分け方と手入れ、保管の注意

エナメル革は、革の表面を樹脂で覆い、強い光沢を出した素材です。 下地が本革か合皮かは素材表示で確かめ、手入れには製品と用品の両方の指定を使います。 紙や別の製品と密着させずに保管し、べたつきや塗膜の剥がれがある面は無理に磨かないでください。

光沢のある黒いローファーと赤茶色のバッグ、柔らかい白い布
エナメルの靴とバッグ(イメージ)

エナメル革とパテントレザーの意味

エナメル革は、革の表面にポリウレタンなどの樹脂で強い光沢のある塗膜を作ったものです。 「パテントレザー」とも呼ばれます。 模様をプレスする型押し加工とは、表面に加える加工が異なります。

「エナメル調」「エナメル素材」という商品名だけでは、下地が動物の革か、合成皮革や布かまでは分かりません。 購入前に「甲材は牛革ですか、合成皮革ですか」「バッグの本体と持ち手は同じ素材ですか」と販売店へ聞き、部位ごとの素材表示を読みます。 光沢の強さだけで本革と合皮を見分けたり、同じ用品が使えると判断したりしないでください。

買う前に見る屈曲部と取扱条件

店頭では、靴の甲が曲がる位置、バッグの持ち手の付け根、開口部や角を見ます。 表面が浮いている、細かく割れている、触ると貼り付く箇所がある場合は、その状態と修理の可否を販売店へ聞いてから購入を判断します。 靴を無理に折り曲げて試すのではなく、試着して歩いたときの当たりと自然な曲がり方を確かめます。

水をはじきやすい表面でも、製品全体の防水を意味しません。 雨の日に履く靴なら、甲材だけでなく縫い目や底、製品としての雨への対応を確かめます。 長くしまっておく予定のバッグなら、保管場所と手入れ指定を守れるかも選ぶ条件になります。

普段の手入れは汚れを擦り込まない

  1. 表面に砂やほこりがあれば、清潔で柔らかい布で力をかけずに取り除きます。砂の残った布で磨き続けないでください。
  2. 雨などの水滴は柔らかい乾いた布で取り、風通しのよい日陰で乾かします。濡れたまま収納せず、高温になる場所やドライヤーで急いで乾かす方法を避けます。
  3. 乾拭きで落ちない汚れは、製品の取扱案内と、用品の「エナメル対応」を両方読みます。目立たない箇所で試す指示があれば、そこで色やツヤが変わらないかを見てから進めます。

例えばコロンブスの「エナメルローション」は、柔らかい布で薄く伸ばし、乾く前に柔らかい布で軽く磨く指定です。 同じ製品は通常のツヤ革、起毛革、素仕上げのヌメ革などには使えません。 エナメル部分と別素材が組み合わされた靴やバッグは、境目を越えて塗らず、部位ごとの使用可否を確かめてください。

塗った場所が白くなる、色が布に付く、表面が柔らかく崩れる場合は、処理を止めます。 量を増やしたり強く擦ったりせず、用品名と製品の品番を控えて販売店へ相談してください。

防水スプレーは商品ごとに対象が違う

防水スプレーを一律に使うことはできません。 コロンブスは「アメダス」をエナメル革には使用できないと案内しています。 一方、コロニルの「ウォーターストップ」は、現行の商品案内でエナメルへの対応を示しています。 「革用」「防水」という表示だけで選ばず、手元の製品名と対象素材、靴やバッグ側の指定を照合します。

対応品でも、塗膜の劣化を元に戻したり、ひび割れを補修したりする用品ではありません。 すでにべたつきや剥がれがある面へ、予防目的のスプレーを重ねないでください。 使用が認められている場合だけ、容器の換気、噴射距離、乾燥、仕上げの指示に従います。

保管は別の物と密着させず、湿気を逃がす

印刷された紙で包むと、インクが表面へ移ることがあります。 べたついた塗膜に紙が貼り付く場合もあるため、新聞紙やレシートを外面へ当てたまま収納しないでください。 バッグや靴同士も押し付けず、表面が触れ合わない間隔を取ります。

高温になる窓際や湿気のこもる場所を避け、製品指定の収納方法で通気を確保します。 紙を密着させて包むより、空間に余裕を持たせて収納し、長期保管中も取り出して貼り付きやくもりを見ます。 防虫剤や乾燥剤を置く場合は、直接製品に触れない位置にしてください。

べたつきや色移りが出たときの中止判断

べたつきには、表面の付着汚れと、塗膜自体の分解によるものがあります。 見た目だけで原因を決めず、布が貼り付く、塗膜が浮く、拭くと表面が取れる状態なら、家庭での拭き取りを中止します。 汚れ落としで分解した塗膜を元へ戻すことはできません。

取れない色やひび割れにも、除光液、消毒用アルコール、研磨剤などを自己判断で使わないでください。 修理店には、いつから変化したか、何と接触していたか、すでに使った用品を伝えます。 補修できる範囲と、色や光沢が変わる可能性、費用を聞いてから依頼を決めます。

素材と用品の参考資料

カテゴリーから探す

Leather Category